百科事典棒で愛を叫ぶ②

 

百科事典棒メソッドで置きかえた数列を、さらに別の方法で置きかえる。

 

まずは“音階”、次に“色彩”について試した。

 

百科事典棒で愛を叫ぶ / 音階 ver.

 

前述のとおり、“ I LUV U. ”は“0900122122002128”。これを音階、すなわちドレミファソラシドに対応させる。

 

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このように

 

ドレミファソラシドで表現した“ I LUV U. ”をお聴きいただきたい。

 

愛を叫んでいる

 

“ Daily Portal Z(0401091225001615182001120026) ”も作ってみた

 

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楽譜にするとこのようになる

 

したためた楽譜を

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封筒に入れる


 

どうだろう。“ I LUV U. ”はなかなかロマンチックな旋律ではないか。

 

ちなみに僕は国家試験を控えた受験生で、ここは大学の学習室だ。

 

百科事典棒で愛を叫ぶ / 色彩 ver.

 

音階ではいちおうの成功を収めたものの、“(情報量を)いくらでも長くできて、永遠に近づく”という百科事典棒の本質とは少し違う気がする。

 

しばらく思い悩んだ結果、いいことを思いついた。色は重ねることができる。そして、重なった色はたった一色になる。

 

重ねかたさえ工夫すれば、“いくらでも長くできて、永遠に近づく”を実現できるのではないだろうか。

 

そのアイディア(色彩 ver.)を紹介したい。まずは“ I LUV U. ”、すなわち“0900122122002128”を色彩に対応させる。

 
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径の小さい半円を内側に重ねることで、文章を作る

 

少しわかりにくいので、じっさいに作業しながら説明していく。

 

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10色のセロファンを用意して

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ひとつずつ数字に置き換える


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円形に切り抜いて

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並べる


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自室でこんなおしゃれな作業をしていたため、いちばんいけ好かないのはおれなんじゃないかという気がしてきたところ

 

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半円を組み合わせて

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文字に置き換える


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“ 09 ”で“ I ”

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“ 0900122122 ”で“I LUV”


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外側から中心にかけて左右交互に読み“ 0900122122002128 ”で“ I LUV U. ”

 

この方法なら、より小さい径の半円を永遠に作りつづけることで、入れこめる情報は無限になる。そして、中心部は一色に定まる。

 

“永遠”と“無限”を一点で表現する、これはまさに百科事典棒だ。

 

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これも

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封筒へ


エピローグ

 

2通の封筒を持って、僕は外に出た。後輩から借りた自転車は大きくて重たいひどく不格好なタイプのもので、ひと漕ぎごとにギシギシときしみ、色は青だった。じつのところ、色はどうでもよかった。自転車に走ること以外の何を望むというのだ?

 

バラの咲きほこる公園に自転車を停めると、まるで“ふとんたたき”の叩くところみたいに曲がりくねった通路を、ゆっくりと歩いた。まったく、なんだって僕はラブ・レターを持って、“ふとんたたき”のことなんか考えなくちゃいけないんだ。

 

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キミは見つけることができるか(ふとんたたきを)

 

ふいに、“思念が消滅の一瞬前のポイントをとらえて、それを永遠に分解していく”、というのは、映画の『インセプション』に似ているぞ、と思った。やれやれ、クリストファー・ノーランまでハルキストだなんて言い出すつもりか。僕はあたまを振って、文学的考察を追い払った。

 

公園はたくさんの人で賑わっていた。身なりのいいカップルの女のほうが僕のことをジロジロと見ていた。まともな人間は平日の昼間に公園をアロハ・シャツを着て歩いたりはしない。僕はわたすあてもないラブ・レターを持ったまま、いけ好かないそのカップルに撮影を頼んだ。

 

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思いよ届け

 

 

 

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